取り扱い説明書やカタログには記載されていませんが、AG-AF105のHD-SDIから出力される映像は8bitの諧調です。これは波形モニターで信号を観測することで確認できます。
今回は、簡易的にグラデーションのある映像を得るために、照明で照らされた壁をピンぼけした状態で撮影しました。また、波形モニターの表示補完機能(INTERPOLATE)はOFFにしています。
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カメラ: AG-AF105
・シーンファイル6 デフォルト
・WB: P5.6K
波形モニター: Tektronix WFM1125 Opt. 0D
・INTERPOLATE: OFF
・カメラスルー: PsFモード, SAMURAI再生出力: Pモード
ProRes記録レコーダ: ATOMOS SAMURAI (Ver. 2.8)
・コーデック: ProRes 422
※掲載しているそれぞれのWFM画面は、時間軸上同一フレームのものではありません。三脚に固定した状態でほとんど変化の無い映像なので、問題ないと考えます。
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画像1 波形の観測に使用した映像 |
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画像2 AF105 HD-SDI出力の波形(Ych) |
画像3 AF105 HD-SDI出力の波形(Ych)(10倍) |
8bitの信号では、0〜255のうち0と255を除いた254諧調が-16%〜109%に割り当てられるため、1%あたり約2諧調となります。
画像3を見ると1%あたり2本程度の線が確認できますので、8bitの諧調であると考えられるわけです。
次に、AF105のHD-SDI出力を、ATOMOSのProResレコーダーSAMURAIで記録・再生した信号を観測しました。
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画像4 SAMURAI HD-SDI出力の波形(Ych) |
画像5 SAMURAI HD-SDI出力の波形(Ych)(10倍) |
画像3と画像5を比較すると、ProRes 422記録した映像は10bitの諧調をもっているように見えます。しかし元々8bitの諧調しか持っていない信号を記録しているわけですから、ProRes422コーデックによる圧縮の過程で生じたノイズ成分であると考えられます。
今回調べた結果は、映像作品制作において特に考慮する必要の無いものであると考えられます。しかし技術的には興味深いと思いましたので公開しております。
作成 2012.5.13
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