■このページの記載内容は、2008年8月当時のものです■
Panasonic AG-HVX200とは
写真1 Panasonic AG-HVX200 |
2005年12月に発売された、P2 HDカメラ1号機。それまで、定価735万円(AJ-HDC27H 本体のみ。レンズ別)のバリカムにしか搭載されていなかったバリアブルフレームレート(VFR)を、1/10以下の価格で実現した小型カメラです。
記録媒体はSDカード4枚をRAID構成したP2カードで、DVCPRO HDコーデックを採用。
今(2008年)となっては力不足の感も否めない仕様ですが、発売当時は25MbpsのMPEG2記録であるHDVよりも良好な画質が得られるということで注目を集めました。
2008年8月現在、後継機種のAG-HVX205Aが登場してますが、このページでは旧機種のHVX200のみを取り上げています。
カメラ部の仕様
発売当初から現在(2008.8)まで、日本国内ではHVX200に搭載されているCCDの画素数は公開されていません。しかしPanasonic USA Pressroomでは詳細が公開されており、それによると、
- 960×540ピクセル 1/3インチCCDを3枚、プログレッシブ駆動
- 縦・横画素ずらしで、1920×1080ピクセルの画像を生成
- 画素ずらしでは縦横のピクセル数が1.5倍になる効果が期待できるので、1440×810ピクセル相当の解像度
となっています。
CCDの画素数がSDカメラ並みであり、カタログスペックを重視するユーザ層からは厳しい意見も聞かれました。続々と登場する他社の小型HDカメラに、解像度やS/Nの面では一歩譲る状況です。
しかしながら、HVX200ならではの表現力があるのも確かです。フレーム内圧縮により安定した画質が得られる点も、メリットの一つです。
図1 AG-HVX200の内部処理図 |
480 vs 720 vs 1080
カメラ部分の性能の限界もあり、720pと1080pで解像感が大きく異なることは無いようです。
しかし、1080pの方が圧縮ノイズが目立ちにくく、高いクオリティが得られるようです。VFRを使用するシーンは720pで収録することになるので、編集時にブローアップして対応します。
写真2 HVX200の1080/24pAで撮影した素材を、縦横比を16:9に戻して縮小した画像
写真3 HVX200の各モードで撮影した素材を、そのままの縦横比のまま並べ、約1/4に縮小した画像
写真4 HVX200の各モードで撮影した画像をすべて1920*1080に変換し、ピクセル等倍で部分切り出しした画像
各モードで撮影した素材を、FinalCutProのHD非圧縮(1920*1080/8bit Uncompress/モーションフィルタ品質:標準)のシーケンスにのせて、レンダリング&QuickTime書き出ししたファイルをPhotoshopCS3で開き、一部をトリミングして等倍でJPEG最高品質で書き出し。
写真5 HVX200の各モードで撮影した画像を、拡大縮小無し/縦横比補正無し/ピクセル等倍で部分切り抜きした画像 |
DVCPRO50 60i(50Mbps)とDVCPRO HD720/60p(100Mbps)を比較した場合、単純に比較するとビットレートが2倍違うことになりますが、それは60i(30p)から60pへと2倍のフレームレートになったことによって相殺されています。つまり1フレームあたりのファイルサイズは変わらず、記録画素数は2倍になっており、結果的に圧縮率も2倍になります。
DVCPRO HD 720/60pとDVCPRO HD 1080/60iを比較すると、60pから60i(30p)とフレームレートが半分になり、そのかわりに画素数が2倍(69万画素→138万画素)となっており、圧縮率とデータレートは変わりません。
このことを十分理解しておくと、各モードの使い分けを的確に行うことができますし、DVCPRO 50で24pA収録(50Mbps)と比べ、DVCPRO HD 720/24pN収録(40Mbps)の方が記録ビットレートがなぜ低いか、DVCPRO 50Mの24pA素材のプルダウン削除を行うと40Mbpsになり、DVCPROHD 720/24pと同じ記録ビットレートになるのはなぜかという疑問も、簡単に解決できます。
Focus FS-100
写真6 Focus FS-100
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P2カードの代用として重宝したFS-100ですが、
- 使用中に突然電源が落ちて使用不能
- 収録したはずのクリップが保存されていない(ログには残っている)
などの問題が起こり、計2回初期不良交換されています。2度目の交換で手元にきたFS-100も快調ではなく、大事な撮影でトラブルが発生して以来メインの収録では使用していません(その後ファームウエアをVer.4にして以降、数回の使用ではトラブルは発生していません)。
実用的な収録時間を確保できるP2カードが現実的な価格で入手できるまでの"つなぎ"として使用していましたが、16GBのカードを入手以降は現役からなど引退しています。
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P2カードでの収録
会社の備品などではなく、あくまで個人の持ち物である私のHVX200。残念ながら潤沢な資金は無いため、一気に複数枚のカードを購入することはできませんでした。
16GB、32GBとカードを買い足し、合計52GBとなった2008年3月に、「The Letter」のロケがありました。長回しのシーンが多くあり、用意したカードでは収録時間が足りなかったため、カードが満杯になり次第MacBookProを用いてハードディスクに収録データをコピーして対応しました。
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写真7 ホテルの部屋でコピー |
写真8 ロケ現場の雪上にブルーシートを敷き、その場でコピー |
写真9 車中でコピー |
2008.8.17
2010.5.9一部修正
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