LUMIX GH5Sの音声入力
外部機器と組み合わせた際のレベル調整

DMW-XLR1を用いた音声収録

2018.6.8作成

LUMIX GH5Sの音声入力

GH5S本体の3.5mmステレオマイク入力端子は、プラグインパワー供給の有無と、マイクレベル・ラインレベルの切り替えが可能です。適切な変換ケーブルと組み合わせることで、外部機器からの音声入力を容易に行えます。

画像1 GH5Sのマイク端子設定

MIC/LINEそれぞれの基準入力レベルは取扱説明書の仕様欄に記載されており、コンシューマー機器で一般的に用いられるレベルであることがわかります。

基準入力レベル / マイク入力: -55dBV, ライン入力: -10dBV

引用元:DC-GH5S 取扱説明書

さらに信頼性が高い音声収録が求められる現場向けに、XLR入力アダプターDMW-XLR1が純正品として用意されています。この製品を用いることで、一般的な業務用ビデオカメラによる取材と同じ要領で、GH5Sによる音声収録が行えるようになります。

画像2 GH5Sに取り付けたDMW-XLR1

DMW-XLR1を使用するにあたり、基準レベルやレベルメータについて疑問が生じましたので、調べたことをまとめました。 結論から言えば、「+4dBuのラインを受けて-20dBFSで収録する」という従来からの手法が、問題なく行えます。

DMW-XLR1の基準レベル

DMW-XLR1の取扱説明書には、以下のように記載されています。

基準入力レベル / LINE: 0dBu, MIC: -40dBu
基準記録レベル / -12dBFS (基準入力時)

引用元:DMW-XLR1 取扱説明書

INPUTスイッチをLINE、AUDIO LEVEL ダイヤルを中央(時計に例えると12時の位置)に設定すると、0dBuの1kHz正弦波(基準信号の"ピー"音)を受けたときに-12dBFSで記録されます(画像3)。

画像3 信号源のレベル表示(左)とLEVELダイヤルの位置(中央)とGH5Sの記録レベル(右)

業務用機器でおなじみの+4dBuの1kHz正弦波を受けると、-8dBFSで記録されます。

基準記録レベル-12dBFSは、主にコンシューマー機器で用いられます。日本国内の業務・放送の分野では、基準記録レベルは-20dBFSがほとんどです(NHKは-18dBFS)。業務用機器に倣い、+4dBuを基準記録レベル-20dBFSで記録する場合、AUDIO LEVEL ダイヤルを基準位置よりも絞って使用します(画像4)。

画像4 信号源のレベル表示(左)とLEVELダイヤルの位置(中央)とGH5Sの記録レベル(右)

その際、0dBFSまで歪みなく収録するためには、最大+24dBuの信号を受けられる性能が必要となりますが、DMW-XLR1の説明書には最大入力レベルの記載がありません。

そこで、1kHz +24dBuの1kHz正弦波をDMW-XLR1で受けてみました。その結果、聴感上歪みは感じられませんでしたので、問題なしと判断しました(画像5)。

画像5 信号源のレベル表示(左)とLEVELダイヤルの位置(中央)とGH5Sの記録レベル(右)

なお、基準記録レベルを-12dBFSとするか-20dBFSとするかによる違いですが、基本的には「突発的な大きな音が入ったときのための余裕(ヘッドルーム)をどの程度持たせるか」ということになります。-12dBFSの場合は12dB、-20dBFSの場合は20dBの余裕があることになります。一般的には、接続するミキサーなどの基準出力とヘッドルームを考慮して決めますが、業務用機器では20dB程度のヘッドルームを持たせることが多いようです。

別の見方をすると、-12dBの方が-20dBより8dB記録レベルが高くなりますので、S/N比が稼ぎやすくなるともいえます(回路設計やその他の要因にも左右されるため、必ずしもそうとは限りません)。

GH5Sの録音レベル表示について

GH5Sの録音レベル表示はとてもシンプルであり、dBFS値は0と-12しか書かれていません。そのため、-20dBFSを基準レベルにする場合、ミキサーから1kHz 0VUの基準信号を受けた際に、どこまでメーターを振らせたらよいのかわかりません。

そこで、GH5SのHDMI出力をビデオ入力ボードに接続し、音声編集ソフトでdBFS値を表示させながらミキサーの1kHz出力を調整する方法で、GH5Sのメーターの各セグメントが点灯し始めるdBFS値を調べました。その結果が画像6です。右端の赤いセグメントとその左隣の間は1dB間隔ですが、そのほかは3dB刻みであることがわかりました。

画像6 GH5Sの録音レベル

素材の収録なので、ほとんどの場合は数dB程度の誤差は許容されると思われます。また、DMW-XLR1のAUDIO LEVEL ダイヤルはアナログ的な見た目ですが、内部的には段階的にレベルが変化します(1dB刻みから0.5dB刻み)。そういった点をふまえ、-20dBFSを基準記録レベルとしたい場合は、ミキサーからの1kHz基準信号を受けたときに、画像6の「-22.5dBFS」のドットが点灯し、「-19.5dBFS」のドットが点灯するほんの少し手前あたりに調整すると良いと思います(画像4の状態)。

機材協力:くつした企画

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